皆さんは、「こどものおもちゃ」という作品を知っていますか？
少女漫画雑誌『りぼん』にて連載されていた小花美穂先生の世代を問わず愛され続ける人気少女漫画。人気子役タレントである主人公の倉田紗南と、そのクラスメイトで大問題児である羽山秋人を中心に進む学園物語です。懐かしさを覚える人も多いのではないでしょうか。
私は、世代では無いですが｢こどものおもちゃ」の世界に魅了された1人です。
当時小学生だった私は、親が知り合いから貰ったこどものおもちゃで初めてちゃんと漫画を読みました。漫画の読み方すら探り探りだったのですが、あまりに夢中になってその日初めて夜更かしをして読み進めてしまいました。
こどものおもちゃは雰囲気や絵柄、掲載雑誌からしても子供向けの安心して見れる作品…のように見えて意外とヘビーな難しい話も織り混ぜられていたのを覚えています。昔はニュアンスしか捉えられなかったことも今見返すとなるほどこういう意味だったのか、と納得出来るのが面白いです。例えば最初に問題となる学級崩壊。少年犯罪、家庭崩壊、離婚、マスコミによる意識操作、バッシング…などが上げられます。それらを"こども"視点で語られているのがこの作品の特徴でした。
そして！私が何より大好きなのが、紗奈ちゃんと羽山の関係性です！
最初は分かり合えずに対立していた2人が不器用ながらも向き合って、惹かれあっていく姿が好きで好きでたまりませんでした。まだまだ未熟なコドモの2人が、初めての事にごちゃごちゃになりながらも助け合って、手を取り合っていく。色々な問題にぶつかりながらも前を向こうと頑張る2人を読みながらたくさん応援していました！
この作品の大きな魅力は、主人公の紗南ちゃんだと思います。紗南ちゃんの明るく芯の通った、頑張り屋さんな姿にとても憧れていました！そして、そんな紗南ちゃんが隠してきた弱さや繊細さが現れる場面を見た時は何とも言えない感情になったのを覚えています。強くあろうとした紗南ちゃんの元に羽山がいて良かった…と涙が止まりませんでした。強い所だけを見ずに弱い所を認め合い、そして助け合っていける関係性は何ものにも変え難い程に素敵でいつまでも大好きな2人です。
また羽山がふっとやってのけたキスや「キライじゃないから」発言などには少女漫画らしくキュンキュンしてました。今見てもたまりません…。
また、中心である紗南ちゃんと羽山の2人だけでなく、他のエピソードも忘れられないものばかりです。マネージャーでありヒモの玲くんとの小さな恋、母の実沙子と交わした誕生日の約束、友人であるふーかや同期の直澄くんとの複雑な四角関係などなど…たくさんの難しい問題達が繊細に描かれていて、笑いあり涙あり、葛藤ありのストーリーに気付いたらしっかりと心を掴まれました。今見返しても心揺さぶられる作品です。
物語の完成度が凄く高くて、家族や友達、恋人など色々な形の愛を描いた作品でした。
いつまでも色褪せない｢こどものおもちゃ｣の世界。もう一度見返しても、また違う魅力が発見できるかもしれませんね。
